思ってもみなかった場所

ふと自分の今の生活を見つめてみると、5年前には思ってもみなかった場所で生活をしていることに気付いた。品川駅に買い物に行く自分なんて一体誰が想像できただろう。

就活をするまで品川駅で降りたことなんて一度も無かった。新幹線が止まることも、羽田空港へ行けることも、何路線もの電車が縦横無尽にやってくることも、全部、何も知らなかった。

でも今は知ってる。分からないこともまだ沢山あると思うけど、大体知った。いつの間にこんなに知ってることが増えたんだろう。

品川駅にはcity bakeryがあるっていうのは、お母さんが昔から言ってた。今考えるとなんてお洒落で最先端な母親だったのかと思う。今もそうだけど。

高輪口の上のほうに書いてある「JR品川駅」を初めて見た瞬間を私はもう覚えていない。品川駅というとそのイメージが1番強くて、ネットとかテレビでよく見ていたから実際に高輪口に向かって歩いて行く時に必ず見たはずだけど、その記憶は悲しいことにない。

その代わり覚えているのは先月の夜のこと。レイトショーの帰り、金曜夜、ガヤガヤワイワイ。高輪口へ向かう最後の難関は目の前の横断歩道。第一京浜、そしてここは東京・品川。信号待ちは結構長い。

そこから見た景色と人の熱気。テレビで見ていた品川駅・高輪口がそこにはあった。「ああ、私は今あそこにいるんだ。あそこの中に生きている。」と。美女と野獣を鑑賞した後だからなおさら感傷的だったのかな。

私はあと何回、「東京」を感じられるのでしょうか。