忘れては、思い出す。
この前しおりと話してて思い出したことがある。
私は小学生の頃、リフォームの番組が大好きだったことを思い出した。「匠」なるものが何なのか、どういう意味なのか考えもしなかった頃。
家族が見てたからでもなく、誰かに勧められたからでもなく、私は毎週その番組を見るのが楽しみというか、それを見るのが私にとっての「普通」だった。
だから番組を見ていた頃に、学校の友達とリフォーム番組の話をしたこともなかった。見るのが普通だったから。話すまででもない、取るに足らないことだったのかも。
自分の好きを忘れなくていい、忘れちゃいけないということに気付いたら、そのリフォーム番組のことを思い出した。
いつの間に忘れてた。
今はもうその番組を私は見てない。
まだ続いているのかどうかさえよく知らない。
それでも、私は小学生の時、リフォーム番組が大好きだったと胸を張って言える。
そして私は今、建築が好き。
東京のコンクリートジャングルの中にあるビルも
そのビルの窓から見える夜の明かりも
有名建築士による設計の美術館も
日本風な家も
アメリカンな家も
今の自分の部屋も
群馬にある家も
縁側がある家も
新築のマンションのワンルームも
商業施設にある綺麗なトイレも
蔦屋書店も
好き。
いつから建築が好きなんだろうと思っても、全然答えが見つからなかった。
だけど、多分それは小学生だったあの頃からずっと、ずっと好きなんだってことを思い出した。
忘れていくこともあれば
思い出すこともある。
それが私で、私は私が嫌いじゃない。