泣きそうになる瞬間
東京にいると、泣きそうになる。
シートを敷いて大切な人と寝そべる光景。歩いている老夫婦。向かい側からやってくるめちゃくちゃオシャレなシティーボーイ・ガールたち。はしゃぐ子供とそれをスマホに収める両親。白人と日本人のカップル。日本語じゃない言葉を話す観光客。ベンチでくつろぐ人。横断歩道を埋め尽くすほどの人の群れ。それに興奮する人と、興奮する人を見て、東京を実感する人。
「東京」を感じた瞬間、猛烈に泣きそうになる。
自分がその中にいることと、その中に自然に混じっている(ように感じる)ことに毎回毎回、感動する。
表参道を歩く自分。
代々木公園にいる自分。
夜の渋谷でスクランブル交差点をスタスタと歩く自分。
お洒落な人とすれ違う自分。
全て自分が体験していること。
他の誰でもない自分が、存在している場所であり見ている景色。
私はこの世界に憧れがあって、
今憧れの世界の中に自分もいるという事実。
その事実が嬉しくて、信じられなくて、少し悲しくて、少し誇らしい。
だから、泣けてくる。
世界で一番好きな都市、東京。
そこで私は、今、生きている。