プリズン・サークル PRISON CIRCLE

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プリズン・サークル(映画)をみた話。
相変わらず長い。備忘録。
#プリズンサークル #prisoncircle

 

1,900円払って、まっさらな気持ちで、スクリーンに映る人間をみている自分には、ちょっとの皮肉も込めて「平凡で幸せな人間だよねえ」と言葉をかけられる。こう思うとか、これは違うとか、世界は広いとか、私程度の人間ではそういう果てしないほど客観的なことしか語れない事象がこの世には数えきれないほどあるのだろうし、そのほとんどに直接触れないままに、私は時が来たら死ぬんだと思う。
そうやって生きて死ぬことがいかに恵まれたことなのかっていうのも本当に気付ける機会ももう無いような気もした。

実際に自分が犯した事件を基にロールプレイングという感じで、加害者・被害者・自分の家族・相手の家族になりきって、気持ちや意見を想像して声に出すという場面があった。親戚の叔父さんに対しての強盗致傷の罪。お互いが言い合う言葉があまりにもリアルで関係ない自分が辛くなった。前読んだ「別の人」という本のことがぶああああああって思い出された。過去も現在も未来も変えてしまうような出来事に直面するというのはどれほどのことなのか。私はまだ体験したことがないからひたすら想像しかできないんだけど、あまりにも辛そうで、できれば経験したくないと思った。

自分がスクリーンに映る側になる確率はとても低いと思った。驕りや比較や優越感ではなく、ただ、そうなる流れの中に私はたまたま産み落とされなかっただけ。人間は 受け身でこの世に生まれる( I was born. ) から、その時点で幸福とか平和とか安全とか安心はひたすらに不平等なものだと思う。でも希望は捨てないで生きていきたいし、希望を持てるような出会いも諦めずにいたい。でもそれさえも不平等だし、そこに個人の性格と、運も関わってくるから、簡単にはいかないよな。